「凄い声だね」
 
中島くんは耳を塞いで私の声をシャットダウンしようとしている

だ、誰のせいだ、誰の

「いきなり現れないでよ」

私は今一番会いたくない人物に出会ってしまった事を強調するかのように言ってみた

「ただおはようって挨拶しただけじゃん。もしかして昨日ので俺の事意識しちゃった?」

いたずらそうに言う中島くんは何とも楽しそうだ

「意識してないし、気にしてません」

顔を逸らして言ったけど、完全に私が意識してしまっているのは中島くんにバレバレだ

「ふーん…それなら良かった。くれぐれも昨日言った事わすれないでね」

あ、あれは…そう言おうとする間もなく、中島くんはまた楽しそうに行ってしまった