中島くんはなぜか私にキスをせがむ

地元から帰る当日…

俺は美冬に挨拶してから帰ろうと美冬の家に寄った…

「じゃあ…」

去ろうとしたその時…

「待って…行かないで…ずっと好きだったの…ずっと柊矢が忘れられなかった…」

美冬はそう言って俺の背中に抱きついた

信じられない言葉に俺は驚く⁈

「何言ってるんだよ…2年前俺を振ったのは美冬だろ?」

「あの時は別れるのが一番いいと思ったの…」

美冬が何を言っているのか分からない…?

「どういう事だよ…?あの時美冬は他に好きな人が出来たって言ってただろ?」

俺は振り返り、美冬の腕を掴んだ

「あの当時…私は密かに柊矢と同じ東京の大学を受けて、一緒に上京するつもりだった…だけど…丁度その頃、お母さんが知り合いの人に騙されて、お金が必要になったの⁈だから、私は地元に残って就職するしかなかった…⁈」

美冬は泣きながら俺に愛眼している

美冬に言われた事は衝撃だった…

「だったら何であの時言わなかったんだよ…?言われたら俺だって…」

「俺だって上京諦めた?」

美冬はやっぱり泣いている

「私は柊矢に夢を諦めてほしくなかったの…だから、好きな人が出来たって言って別れたの…」

それが柊矢の為には一番いいと思って…

頭をガーンと打たれたような、殴られたような衝撃を受けた