中島くんはなぜか私にキスをせがむ

親戚が帰って落ち着き、美冬は棺に入ったおばさんを眺めてまた泣いている

おばさんは優しい人だった…

婆ちゃんと二人暮らしで両親のいない俺にも良くしてくれて、美冬と一緒で、親がいないからって俺を差別したりしなかった…

優しかったおばさんの事を思い出すと俺も悲しくなる

自分の母親が亡くなったのだ

美冬はもっと悲しいに違いない…

「大丈夫か?」

俺は泣いている美冬を宥めた

「うん…。ごめん柊矢にまで迷惑かけちゃって…」

美冬はこんな時でも俺を気遣っている

「俺の事は気にするな…おばさんが死んだのは美冬のせいじゃない…自分を責めるな」

美冬が俺の胸に顔を埋めた…

あーと嗚咽を我慢して泣いている

俺は美冬が泣き止んで落ち着くまでずっと傍にいた