中島くんはなぜか私にキスをせがむ

‘美冬‘

携帯のディスプレイにはそう表示されてた…

女の人の名前だよね…?

中島くんは玄関の外で深刻そうに喋っている…

少し経って、中島くんが険しい顔で戻ってきた…

「美桜ごめん。ちょっと出なきゃいけなくなった…」

中島くんは何やら切羽詰まって忙しそうだ…

「分かった…今日は帰るね…」

「本当にごめん…送って行くよ…」

「ううん…大丈夫…1人で帰れるから…」

私は強がった

本当は美冬って誰?何の用事?とか色々聞きたかったけど、臆病な私は何も聞けなかった…

結局私は服を直してバックを持って、そそくさと中島くんのアパートを後にした…