「どうした?失敗したの?」
彼は、写真を覗きこむ。
「インスタントじゃ、限界があるもんなぁ⋯⋯。本格的に写真を始めたいなら、それなりのカメラが必要だね」
「そういうことじゃなくて⋯⋯カメラは要らないって思った。だって、写真じゃ、今感じてるこの気持ちとか、空気感までは写らないってわかったから。どんなに腕のいいプロが撮ったとしても、私の気持ちまでそっくりそのまま表すことはできないでしょう?」
そう言うと、彼は少し後退り、指で四角を作ると、そこから私のことを覗いた。
「どうしたの?」
「カメラでは写せないもの、こうして僕がこの目で撮って、ずっと心にしまっておくよ」
「ふふ⋯⋯だけど、ツーショットは撮れないね」
「撮れるよ。君はいつだって僕のなかに居るんだから」
ああ⋯⋯なるほど。今、わかった気がする。
彼の瞳と心で撮った私は、実物とも写真とも違い、きっと、とても美しいのだろう。
彼は、写真を覗きこむ。
「インスタントじゃ、限界があるもんなぁ⋯⋯。本格的に写真を始めたいなら、それなりのカメラが必要だね」
「そういうことじゃなくて⋯⋯カメラは要らないって思った。だって、写真じゃ、今感じてるこの気持ちとか、空気感までは写らないってわかったから。どんなに腕のいいプロが撮ったとしても、私の気持ちまでそっくりそのまま表すことはできないでしょう?」
そう言うと、彼は少し後退り、指で四角を作ると、そこから私のことを覗いた。
「どうしたの?」
「カメラでは写せないもの、こうして僕がこの目で撮って、ずっと心にしまっておくよ」
「ふふ⋯⋯だけど、ツーショットは撮れないね」
「撮れるよ。君はいつだって僕のなかに居るんだから」
ああ⋯⋯なるほど。今、わかった気がする。
彼の瞳と心で撮った私は、実物とも写真とも違い、きっと、とても美しいのだろう。



