17才で再会した時には、柄にもなく照れてしまった。それは、彼も同じだったように思う。

 それぞれの志望校に合格した私たちは、春に上京。
「前に会った時と、かなり雰囲気変わったよね」
 彼は驚いていたが、それもそのはず。
 いくら、まず落ちることのない指定校推薦でも、やはり印象は大事なので、膝丈のスカートに、長い黒髪をお下げにして挑んでいた。勿論、ノーメイク。
 卒業と同時に、髪の色をかなり明るくし、スパイラルパーマに、キツめのメイクまでしていたら、女の子なんて全く別人に見えるもの。
 そんなファッションのせいか、都心を一人で歩くと、
「うちの店で働かない?」
「どこか別の店で働いてる?うちのほうが待遇はいいよ」
 何かと呼び止められてばかりで、まっすぐ目的地に辿り着くのはいつも困難だった。
 そんな愚痴をこぼすと、彼はとても心配してくれた。
 過保護気味で、笑ってしまうほどに。