貴女だけが、私を愚かな男にした 〜硬派な彼の秘めた熱情〜


 それに、風雨は相変わらず激しい。

 ふと顔を上げると、明人がスマホの通知に目をやっていた。

 少しだけ目を見張って、画面を見詰める。

「ちょっと、失礼しますね」

 一言断ってから、明人はタブレットを取り出してなにやら調べ始めた。

 なにかあったのだろうか。

 微かに不安がよぎるが、明人の表情からすると不幸な知らせなどではないようだ。

「遣らずの雨、か」

 窓の外を見ながら、明人がごく小さく呟く。

 どういうこと? と言うまでもなく、明人は詩乃の方に向き直った。

「明後日は、お休みですよね?」

「ん? うん」

 明後日——月曜日は、祝日で休みだ。

「な……なんで?」

 嫌でも、期待が膨らむ。