明人はミトンを丁寧に包み直し、傍らから自身が持ってきたプレゼントを取り出した。

「ありがとう。なんだろ?」

 包装紙を取り除き、品の良い箱を開ける。

「!……これって……」

「良い色だと、思って」

 明人がくれたのは、ペアの食器だった。

 スモークブルーとサーモンピンクのころんとした腕が、対になっている。

 まさに、夫婦茶碗にしか見えなかった。

「可愛い……!」

 宝物を捧げ持つように、食器を手に取る。

 上品な色合いは吸い込まれるようで、形もしっくりと手に馴染む。

「ありがとう! これで、ご飯食べようね」

 言いながら、また顔が赤くなっていくのが分かる。

 夫婦茶碗をもらってしまった。

 腕の大きさはそれぞれ同じだが、ペアの腕は夫婦茶碗といえるに違いない。

 どうしても、今後の関係がどう発展するのか期待してしまう。

「お互い、実用的なものを選びましたね」

 そう言って微笑む明人の顔は、どこか照れを隠しているようにも見えた。