「だって、いつもあなたのために食事を作っていますから。好みの系統はよく分かっています」
最近、作ってくれる料理がますます美味しくなっているなと思ったら。
どうやら、詩乃の好みに合わせてくれていたらしい。
(カッコいいな、明人くん)
普段とは違う雰囲気の中で会う明人は、印象が違った。
食事を楽しみながらも、ときどきふと、彼の姿に見惚れてしまう。
キャンドルの柔らかい光が揺れ、クリスマスの飾りがキラキラと瞬いている。
(この時間が、いつまでも続けばいいのに)
詩乃は、うっとりと明人の姿を眺めていた。
「そうだ! プレゼントがあるんだった」
食後のコーヒーとデザートのティラミスを食べ終えてすぐに、詩乃は思い出して言った。
隣の席の女子会で、プレゼント交換が行われていたのだ。
まずは、小振りなショッパーを明人に手渡す。
「ありがとうございます」
「開けてみて」
