ガラクタがそこら中に散らばっている薄暗い道端に小柄な美少女が1人身を縮こませている。
……残念ながら私です。
「あの……ほんとに、やめてください……」
震えた声で小さな抵抗を試みる。
私は今、“ザ・不良”みたいな連中に腕を掴まれている。
柔らかな腕に汚らわしい指がくい込み少し痛む。
今すぐにでも振りほどきたい。でも、まだ我慢。
とはいえ、心の中では思いっきり悪態をつく。
たく……こいつらみたいなバカ丸出しの野郎達が、情報を持ってるなんて思えないけど、ローズ様の指示だし、接触しろって言われたのはこいつらだから、仕方がない。
ニヤニヤこっち見んなよ。
………………。
………………。
おっと、私は“可愛くてか弱い牡丹”なのです。
「お兄さん方、なんなんですかっ」
少し怯えた表情を作りつつそう言うと、奴の顔がグッと近くなる。そして、その醜悪な顔に気持ち悪い笑みを浮かべて問いかけてくる。
「お嬢ちゃん、不動の7の新入りか?」
「……そうですけど」
不快な気持ちを表に出さないように表情筋をフル稼働させる。
そう、私たちのチームは何があっても7位から動かない。
だからって“不動の7”なんて名前をつけたのは、安直な人たちなんでしょうね。所詮通り名ですから仕方がないのですが。
なんて考えていたらさっき問いかけてきた
ーーリーダーと思わしき男が自己紹介をし始めた。
「俺たちはチームランク8位の蛇腹だ」
……格下だと自ら名乗るなんて、恥ずかしくないんですかね。
1位しか変わらないのになぜ格下と表現しているのか不思議でしょうか...
どんな時でも7位から動かないなんて、普通の脳みそがあれば異常である事に気がつくでしょう。
つまり、順位を自由に決められるくらいの実力はあるんですよ。馬鹿な連中はこうやって絡んできますが、頭の切れる連中と、古参は我々に協力を求めてくるくらいですからね。
「リーダーのいない今日、お前らを潰す絶好のチャンスだ」
リーダーがいなくても、私たちの方が強いに決まってるのに。
「てなわけで、お前を人質にしようと思ってな。それに随分かわいい顔してるしな」
……気持ち悪。
でも、情報は掴まなきゃいけないですし……
人質として潜入してもいいんですけど、こいつらに捕まるのはちょっと……。
なんて油断していた私が馬鹿でした。奴らに完全に包囲されています。
「ず、随分と私のことを捕まえたいんですね……」
見渡す限り、モヒカン。モヒカン。モヒカン。
こいつら自主性というものがないんですかね。みんなでおそろっちってことですか?
……いえ、訂正します。
リーゼントもいました。
目立つなぁ。
おっと、まずは目の前のことに集中しないと!
「でも、私、メンバーのところに帰らなきゃいけないんですよ。お兄さん方……」
多勢に無勢。
万事休すですかね……。
「それに、集会始まっちゃいますっ……」
じわじわと方位陣が小さくなっていき、奴らとの距離が縮まってきている。残り2m、と言った所でしょうか。
まったく、迂闊でした……。
こんなので逃がしてくれるほど、甘くはなさそうですね……。
……どうしようか、必死に考えていたそのとき。
――コツ、コツ、コツ。
誰かが、ゆっくりとこちらへ歩いてくる。
不良たちも一瞬、動きを止めた。
足音は静か。
静か、なのに……何故か、背中がゾワッとする。
やけに重々しい足音だった。
コツン、と響いていた足音が止まった。
瞬き一つすら許されないと、思わせるほどの強烈な圧。
ただ、その場にいる。
それだけで、呼吸が上手くできない。
警鐘はずっと前から鳴り響いている。
それでも、もう手遅れだと本能が告げていた。
否が応でも理解してしまう。
今、降臨した。
いや、降臨してしまった。
ローズ様が。
……残念ながら私です。
「あの……ほんとに、やめてください……」
震えた声で小さな抵抗を試みる。
私は今、“ザ・不良”みたいな連中に腕を掴まれている。
柔らかな腕に汚らわしい指がくい込み少し痛む。
今すぐにでも振りほどきたい。でも、まだ我慢。
とはいえ、心の中では思いっきり悪態をつく。
たく……こいつらみたいなバカ丸出しの野郎達が、情報を持ってるなんて思えないけど、ローズ様の指示だし、接触しろって言われたのはこいつらだから、仕方がない。
ニヤニヤこっち見んなよ。
………………。
………………。
おっと、私は“可愛くてか弱い牡丹”なのです。
「お兄さん方、なんなんですかっ」
少し怯えた表情を作りつつそう言うと、奴の顔がグッと近くなる。そして、その醜悪な顔に気持ち悪い笑みを浮かべて問いかけてくる。
「お嬢ちゃん、不動の7の新入りか?」
「……そうですけど」
不快な気持ちを表に出さないように表情筋をフル稼働させる。
そう、私たちのチームは何があっても7位から動かない。
だからって“不動の7”なんて名前をつけたのは、安直な人たちなんでしょうね。所詮通り名ですから仕方がないのですが。
なんて考えていたらさっき問いかけてきた
ーーリーダーと思わしき男が自己紹介をし始めた。
「俺たちはチームランク8位の蛇腹だ」
……格下だと自ら名乗るなんて、恥ずかしくないんですかね。
1位しか変わらないのになぜ格下と表現しているのか不思議でしょうか...
どんな時でも7位から動かないなんて、普通の脳みそがあれば異常である事に気がつくでしょう。
つまり、順位を自由に決められるくらいの実力はあるんですよ。馬鹿な連中はこうやって絡んできますが、頭の切れる連中と、古参は我々に協力を求めてくるくらいですからね。
「リーダーのいない今日、お前らを潰す絶好のチャンスだ」
リーダーがいなくても、私たちの方が強いに決まってるのに。
「てなわけで、お前を人質にしようと思ってな。それに随分かわいい顔してるしな」
……気持ち悪。
でも、情報は掴まなきゃいけないですし……
人質として潜入してもいいんですけど、こいつらに捕まるのはちょっと……。
なんて油断していた私が馬鹿でした。奴らに完全に包囲されています。
「ず、随分と私のことを捕まえたいんですね……」
見渡す限り、モヒカン。モヒカン。モヒカン。
こいつら自主性というものがないんですかね。みんなでおそろっちってことですか?
……いえ、訂正します。
リーゼントもいました。
目立つなぁ。
おっと、まずは目の前のことに集中しないと!
「でも、私、メンバーのところに帰らなきゃいけないんですよ。お兄さん方……」
多勢に無勢。
万事休すですかね……。
「それに、集会始まっちゃいますっ……」
じわじわと方位陣が小さくなっていき、奴らとの距離が縮まってきている。残り2m、と言った所でしょうか。
まったく、迂闊でした……。
こんなので逃がしてくれるほど、甘くはなさそうですね……。
……どうしようか、必死に考えていたそのとき。
――コツ、コツ、コツ。
誰かが、ゆっくりとこちらへ歩いてくる。
不良たちも一瞬、動きを止めた。
足音は静か。
静か、なのに……何故か、背中がゾワッとする。
やけに重々しい足音だった。
コツン、と響いていた足音が止まった。
瞬き一つすら許されないと、思わせるほどの強烈な圧。
ただ、その場にいる。
それだけで、呼吸が上手くできない。
警鐘はずっと前から鳴り響いている。
それでも、もう手遅れだと本能が告げていた。
否が応でも理解してしまう。
今、降臨した。
いや、降臨してしまった。
ローズ様が。
