ほか3人とはここで一旦お別れすることになったので、
お礼をいい、精一杯手を振って見送る。
「またね、宵宮さん。」
「ちゃんと聞くんだぞっ!僕のスピーチを!」
「また来る。」
三者三様のお別れのあいさつをくれる。
「はい、また。」
願わくばもう会いませんように……。
もうあの圧には懲り懲りだよ……。
3人の姿も見えなくなったので、校舎に足を向ける。
これが私の高校生活の第1歩だ!と意気揚々と踏み出そうとした瞬間、何かが走って来た。
タッタッタッ
ドンッ
……。
デジャヴだ……。
……っと、あぁ!
何とぶつかったんだろう?
立ち上がって確認しようとした瞬間、ズキン、と、膝に痛みが走る。怪我しちゃったみたいだ……。
すると、ぶつかってきた何かが手を伸ばしてくる。
白くて綺麗な手だ。
「あの、ごめんなさいっ!怪我、大丈夫ですか?」
うるうるしたおめめで、こちらを心配する美少女。
サラサラの髪に大きな瞳。長いまつ毛は自然とカールしている。お人形さんかと思った。
「え、えっと…そうでしたっ!保健室ですね!保健室、行きましょう!」
「えっと……、よろしく?」
「任せてくださいっ!」
ということで私はお人形さんに保健室に連れて行ってもらう事になった。
無言で歩くのも気まずいので、とりあえず名前を聞くことにする。
「……名前聞いてもいいかなっ?私は宵宮有栖!」
こてん、と首を傾けて言う。是非とも仲良くしたいので。ふふっ、これでメロメロだろう!何せ私は美少女なので!
艶やかな黒髪に儚げな印象を与える白い肌。スタイルも良くて、頭もいい、私は自分のことをよくわかっている。無自覚天然美少女ではないのだ。
「かわいっ…ゴホンッ、私は白姫 巳鈴です!」
みすずって名前まで可愛いっ!
みすず…すず?みーちゃん?
「み、みーちゃんって呼んでもいいかなっ?」
「ぜひっ!有栖ちゃんのこと、すーちゃんって呼んでもいいですかっ?」
「もちろんっ!」
やったー!お人形さん、基、みーちゃんとお友達になれました!初めての"オモトダチ"。もちろん、ローズの皆とも仲がいいけど、皆は"仲間"。
その後色々話していたら、いつの間にか保健室に着いていた。保健室の扉を開ける。
「誰かいますか……?」
問いかけてみる。
「……いませんね。」
「うん、勝手に使っちゃおっか!」
「!」
みーちゃんが驚いた顔でこっちをみる。えへへ、これでも不良だからね。なんて思いながらガサゴソと消毒なりなんなりを探し始める。隣を見ると、みーちゃんも探し始めていた。
「あっ、ありましたよ!」
「手当は任せてくださいっ!」
「じゃあ、お願いするね!」
みーちゃんは手馴れているのかテキパキと手当していく。ぼーっと見ていたら既に終わっていた。
「ありがとう!みーちゃん、手当慣れてるんだね!」
「おうちがこっち系なんです。」
「なるほどね!」
なんて楽しくおしゃべりしつつ保健室からでて、体育館へ向かうことにした。お喋りしていたら入学式のこと忘れたなんて言えないよっ……ドタバタと、廊下を走る音が響く。すい先輩ごめんなさい。心の中で謝りながら、体育館へ急ぐ。
何とか、間に合わなかったけど…入学式に出席し、一日を終えた。
入学式については睡魔と戦っていたからあんまり記憶がないんだよっ!
退屈な入学式も終わったことだし、さっさと帰ることに決めた私の体は下駄箱へと向かっていた。あっ!お兄ちゃんに連絡入れとかないとっ!朝、言われたんだよね。えっと、帰る時に連絡しろ。だっけ?
