可憐な華はには毒がある。



春の暖かな日差しを受けながら桜の花びらが散る道を歩く。

眩しいほどの青空の下、桜の花びらが舞い、まさに、最高のスタートを告げる天気だ。そう、今日みたいな入学式にピッタリな天気。


なんだかいい出会いがありそうな予感。



私、高校生になりました!おめでとう私!これでやっと私の密かな夢が叶えられる。高校に通ってお友達を作って放課後には友達とクレープを食べに行くの。
だから今日はお友達作りが目標!


高校生になる前に、主治医の元へ行ったんだ。いつもは来てくれるんだけど、先生のお家の方が専門的な機械とやらがあるみたいで……。


まぁ、主治医にも驚かれたよね。こんな稀な例は生まれてこの方見たことがない、って。私の主治医はエルフなんだ!こういうのを人間の言葉で、"餅は餅屋"って言うんだっけ?遠い昔、ずーっと前から、医療はエルフの得意分野。ほんと綺麗な人なんだ!昔からお世話になってるの。もう100年以上医者をやっている先生から私が6歳くらいの時に言われたんだよね。衝撃的だったなぁ。
"アルスさんは10歳まで生きることを目標には頑張りましょう。"って。酷だなぁ、って今でも思うけど、そうゆう子供だからって隠したりしない先生だから、懇意にしている。


そうそう!


結局あの後入学式の準備とかいろいろ、ドタバタしてて総長さんにお礼できる機会がなかったんだ...


本当はちゃんとお礼言いたかったんだよ?



まぁ、受験は終わっていなかったから家に引きこもって勉強してて無理な話ではあったんだけど...。



ごちゃごちゃと色んなことを思い出しながらトコトコ道に沿って歩いていく。





あっ、そういえばここでの名前を用意してもらってたんだった!



アルスって名前じゃちょっと馴染みにくいしね。

えっと...

確かこの辺に入れといたはず。


お!あった!名前を書いた紙を見つけ出したので広げてみる。




宵宮 有栖





今日から私は宵宮有栖!



よし!覚えた!



なーんて調子に乗って歩いていたから気づかなかったのだ。



横から走ってくる美少年に。




タッタッタッ




ん?



ドンッ




っいてて...


何と衝突したの...?



もしかして電柱?


「ちょっと!前見て歩いてくれないと困るよ!」



こ、こども?



中学生かな...?



「えっと...ごめんね、僕」


坊ちゃんは顔を真っ赤にして言う。
『僕は子供じゃない!よく見てよ!同じ制服着てるじゃないか!』



えっ...?



.....ほんとだ



よくよく見ると美青年...いや、やっぱり美少年だけど、同じ高校の制服をきている。



「わわっ、ごめんね!もしかして君も新入生?」




「僕は2年生!つまり君より先輩だぞっ!」




さっきからプリプリ怒っていて年上に見えない。




すっごく可愛いな。この子。



「じゃあ、ぼ……先輩、道に迷っちゃったんで学校への道教えてくれませんか?」



実は考え事をしながら歩いていたらよく分からない道に来てしまっていた。



「ふんっ。僕も迷子に決まっているだろ!」



「じゃなきゃ、こんな道にいないさ!」



……。



なんて言うんだっけ、こうゆう子。




そう、確か……



残念な子……いや、残念イケメンってことにしておこうかな。



ちょっと冷めた目で見ていることに気づいた先輩(?)はまたもやプリプリしながら電話をかけ始めた。