可憐な華はには毒がある。



ツーンとした薬の匂いがする。



ここは病院...かな。



現実に戻ってきちゃったんだね。きっと。



今度こそ重たい瞼をしっかりと開ける。



視界に映ったのは……





天使







ではなく、またもや心配そうな兄の顔だった。


「…………」

辺りには冷たい空気が張り詰めている。
気まづくて、お兄ちゃんの顔が見れない……。



「アルスメリア。」



……これは相当お怒りだ。
私の真名をしっかり呼ぶなんて……。


呼びにくいし好きじゃないって言ってるのに。


「危険な状態だった。
アイツがたまたまアルスを見つけなかったら、下手したら死んでいた。」



…………。




それは……





うん、そうだよね……




何も言い返せない。




「と、言う訳で今日から1ヶ月外出禁止な。」
にっこりと圧のある笑顔で宣言される。



「…………。」




長いなぁ……。




「アルス、返事。」




これはやばいかも……!!



相当お怒りだ.....


般若みたいな顔してるもん!綺麗な顔が台無しだよっ!それでもかっこいいけど!



「はい!」



「ところで、誰が助けてくれたの?」



何事も無かったかのように聞ける私の心臓には剛毛が生えているんだろうな。さっきより部屋が暖かい気がする。




「……。うちの総長だ。」


なんだか、知られたくなかったみたいに、ボソッと教えてくれる。お兄ちゃんが総長じゃないんだ!
てっきりお兄ちゃんが総長かと思ってたけど……。



「そうなの?!お礼言いたいから会わせて!」



さて、許してくれるかな?会わせたくも無さそうなんだよね。そもそも外出出来ないし。



「……聞いてみるが、期待はするなよ?
アイツ人間嫌いだからな……。」


そっか...。



また、会いたいな。



「うん、わかった。じゃあよろしくね!
私はもうそろそろ寝るから。」



なんて言いながら、もう寝る準備はバッチリだ。



兄がこっちをチラチラ確認しながら部屋を出ていく。



お兄ちゃんなんかほっといて、もう寝ちゃおう。




夢の中であの天使にもう一度出会えることを願って。