僕は異世界ホルメンの魔法使いである。

「ウォータービリビリトルネード!」

呪文を唱えて杖が光ると同時に水と電気を発した竜巻が産まれる。

ーーーキュアアア!!

C級のグリフォンがホワイトキャット族の子供を襲っていたところを助けたところだ。

「キミ大丈夫かい?」

「うん…」

大きな翡翠の瞳に大粒の涙を溜めていた。

「あ、怪我しているんだね!泣かないの偉いね!」

「僕…もうすぐお兄ちゃんになるんだもん…。」

僕はその子の頭を撫でる。

「よしよし!君はいいお兄ちゃんなるね!でも子供はもっと大人に甘えていいんだよ?これポーションをあげるから飲みな?」

「…ありがとう。ゴクリ…おいしい!」

この笑顔の瞬間が僕には好きだ。お母さんを探しに行こうとその子と手を繋いでチアロアというヨーロッパのような街並みの石畳の検問前に行くとホワイトキャット族の妊婦の女性がいた。

「ありがとうございました!クルリさん!」

「ありがと〜!」

どうやら森で木の実を採取していたら逸れてしまったんだと。僕は親子に手を振りながらチアロアの町を歩き始めた。

「ドレイン、いるかな〜」

さっきグリフォンが遭遇した森で茉莉花と香雪蘭とレンリンソウの花畑見つけて詰んで来たんだ!

「ドレイン、茉莉花のお香喜んでくれるかな!」

僕は道の石に躓かないようにルンルンと街並みを歩く。

「もうホルメンに大分慣れたな。」

初めて来たのは何年前だったかな、学生時代に人と上手くいかず引きこもっていた。あるテレビで見た子がいた。

「…すごい。」

僕より年下の子がキラキラ輝いている姿を見たんだ。

「僕と歳がそんな変わらないのに…あんなに輝いて。」

その子を観ていたら何故だか僕は勇気を貰った。芸能界に僕は疎くて誰かわからなかったけどまた頑張ろうと奮い立たせてくれた。

「こんなところで蹲ってたら、ダメなんだよね。分かってたんだけどさ。」

3年間あまり部屋出てこなかったのに、ご飯以外の目的で部屋からリビングに降りて行くと両親が驚いた顔をしていた。

「どうしたの?」

テーブルを拭いていた母さんが僕の方に駆け寄り。

「母さん、父さん。僕もう一度頑張りろうと思うんだ。」

「何かあったの?」

「うん。僕勇気貰ったんだ!だからまた頑張りたいんだ!」

「無理しなくていいんだぞ?お前は何も悪くないんだから。」

父さんも。僕が学校で虐められていた事を知っている。知っているというかバレたんだけどね。虐められたきっかけは、虐められてた人を助けたら、まぁ漫画みたいになって。その人がまさか虐められていたグループに混ざるなんてのは想像してなかったけどな。

「僕がこのままでいたくないんだ。確かに。まだ怖いけど…僕、このままじゃダメなんだって教えてもらったんだ!」

「そうか。なら、がんばれ!」

「えぇ!でも頑張りすぎちゃダメよ!」

こうして僕は決意して両親に背中を押されたんだ。その日たまたまつけてたラジオにもテレビでも大人たちに(ゆめ)ちゃんと呼ばれてて。

「夢ちゃんって言うのか。なにか君にお礼が言えたらいいのに。」

踏み出そうと思える勇気をくれた事を。

『ラジオではお便りと、事務所ではファンレターを送ることができます!』

「ファンレター!?」

これなら夢ちゃんにお礼が言えるのでは!?と思い至り、母さんから花柄の便箋をもらって、ファンレターを書いたんだ。

「夢ちゃんのおかげで頑張る勇気を貰いました。ありがとう。」と来栖(くるす) 咲夜(さくや)と名前を書いてこの日を忘れないように、土砂降りの雨だったけど郵便ポストに便箋を入れて。人生で初めてファンレターというものを送った。

「僕も、頑張るから。」

そう言ったのはいいものの、理想と現実はなかなか上手くいかない。虐められはなくなったけど、気持ちがついて行かなくて、腹痛に襲われたり、トイレで吐き出してしまったり、開けるドアは手が震えたりして。

「はぁ…なさけな。」

公園のベンチに座り俯いていたらチロリンとスマホに通知が鳴って見ると。

「異世界ホルメンへ行きますか?なんだこれ?」

メッセージがあってよく分からず、YesかNoと書かれていた。自然と指がYesを押してしまった。

「あ、もしかしてやばかった?」

そう思ったのも束の間。気付けばレトロな木製の電車の中だった。

「このオレンジのクッションふかふかだ。」

ふかふか具合に楽しんでいるとすると突然『ホルメンへようこそ!ログインIDを決めて入力してください。』と僕の目の前に現れた。

「ログインIDなんて。まるでアニメかゲームみたいだ。」

僕はログインIDを決めて入力する。スマホの通知が鳴り『次からこのようにするとホルメンへ自分からいけるようになります。』と電車が止まってドアが開いた。

「ちょっとメルヘンチックだけど見慣れない光景に少しわくわくするな!」

普通の電車はガタンゴトンと言わないのに、外の景色はオレンジ一色で夕焼け空みたいな綺麗な景色に見とれていると、キキィ!とブレーキがかかった。

『こちらにスマホをかざしてください。』とドア付近のIDパネルがあり。そこにスマホをかざすとドアが開いたが。

「え、ホームないじゃん!」

到着した駅にはホームがなにもなく、ホルメンと書かれた看板に備えてあるだけで下を除くとただオレンジ一色だ。

「もしかして、飛び込めということかな?」

僕は少し躊躇はするものの降りて、ふわっとした雲を潜ったら。

「さっきまで学校の制服だったのに」

近くの水溜まりに映る僕の姿は外側が黒で内側がオレンジのローブと黒の帽子を被ってオレンジの珠が着いた杖を持っていた。

「まるで魔女か魔法使いだ。」

ビヨン!と僕の前に表示されたのは『こちらでアバターは決めさせて貰いました!プレイヤーの名前を決めて入力してください!』と表示された。

「名前か。来栖だからクルリで、好きなRPGゲームのキャラクターの名前をもらって。クルリ・ロウバンだ!」

さっきの入力もこのシステムがまるでゲームの世界みたいだし。それに魔法使いというワードにわくわくした。

「火魔法スキル、水魔法スキル、風スキルetc」

ゲームの世界で言うとステータスが目の前に表示されいて、ここに来て初めて魔法というものに触れた。練習したらみるみる上達して楽しくて楽しくて、

「ファイヤーカット!」

魔法の杖に魔力を込めると、魔法が発動して炎の刃で岩が真っ二つに割れた。

「おー割れた部分は焦げている。」

最初は初歩的な魔法だったけど。魔物と戦ったりダンジョンと戦っている内に。

「アイススターダスト!!」

気付けば魔法レベルは高くなっていて、水魔法だけだったのが、水と風魔法を組み合わせて使えるようになっていた。

『魔法図書館に行くと魔法書がたくさんある。』と書かれていて、僕は魔法に興味が出て暇さえあればたくさん魔法図書館で魔法書を読んだ。

ポーションを作り方や薬草採取の場所を覚えたりして、せっかくこうして覚えるなら誰かの役に立ちたいと思った。ある日サフランと砂場で怪我しているエルフ族にポーションをあげたり。

「クルリさんのおかげで、助かりました。ありがとう。」

チアロアの繁華街を歩いてたら、迷子なのか子供が泣いていたところに

「ねね、君!フラワーファイヤー!」

手品みたいにして魔法を使ったりすると泣いていた顔から柔らかい表情に変わり

「すごい!すごい!お兄ちゃんもっかいやって!!」

笑ってくれる街の人たちが僕は嬉しかった。

「クルリくん!この前荷物を運んでくれたお礼!グリルバードスキーを食べて行って!」

現実世界で言うと焼き鳥だ。この世界の人の優しさに触れて。

「ありがとう!うまっ!」

今まで親以外の人の優しさに触れず、振り絞った勇気は報われなかった。でもホルメンに来てから報われたことで僕は変わることも、努力無駄では無いと知ったんだ。

「そうだ。魔法図書館に行こう!新しい魔法書あるかも!」と思い至って魔法図書館に行ったんだ。その図書館はまるで美術館みたいに綺麗な建物で広い場所なんだ!

ここは絶対にプレイヤーもいるだろうな。僕も図書館が使えるんだし。ある悪魔の格好をした女の子が高い場所の本を取ろうとしていた。危ないだろうなと思い手助けしようとしたら案の定手が滑ったのか本が落ちそうになって。

「あぶない!」

僕は咄嗟に落ちそうな本を支えて落ちそうだった本はギリ落ちなくて済んだ。

「大丈夫?」

声をかけてみたんだけど、微かだけど肩が震えていた。なんとなくこの子はプレイヤーなのではと思った。

「あ、あの。助けてくれてありがとうございます。」

この子、僕が本当は怖いのにお礼を言うなんてなんて強い人なんだと思った。

「ううん、君が無事でよかったよ!」

きっと僕なら何も言えずに逃げ出す気がする。その子の人差し指を見ると怪我をしていた、さっきので指を切ってしまったのかな。

「あ、君の人差し指切り傷になっちゃってるね?」

「本当だ。でも大したことないないわ」

ペラペラと本を捲り始めた。僕はカバンからポーションを取り出した。

「ダメだよ、女の子が怪我を放っておいちゃ!このポーションをあげるからさ!あ、自己紹介まだだったね、僕はクルリ・ロウバン!」

せっかくプレイヤーと出会ったんなら仲良くなりたいなと思うけど望み低そうだなと思ったけど。

「…私はドレイン・フランダ。」

名前を教えてくれただけでも僕は嬉しかった。あまり長い間怖がらせるのも良くないと思って今日はここまでだな。

「じゃ、またどこかで!」

僕はドレインさんから離れて、欲しい本を買ったり借りてして魔法図書館を後にした。これが僕クルリ・ロウバンとドレイン・フランダの出会いの始まりだった。

こうしてドレインさんやホルメンのNPCと関わっている内に現実で嫌だったことを忘れていつの間にか「僕は変わりたい」と思いながら
。学校の現実とホルメンの異世界を行き来していた時に、ふと現実世界でも人を助けたり喜ばせたいなと思った時、テレビで見た子の事を思い出した。

「そうだ!芸能人のマネージャーになろう!」と夢を描き、ハレンプロダクション芸能事務所に入社した。

最初は大変で大変で目まぐるしい毎日だったけど、誰かに頼られるのは嫌いじゃなかった。芸能活動をしている子のサポートできるのはいいなと思ったんだ。

ーーーピピピピ…

「ん?朝か…」

僕は枕元で鳴っているアラームを止めた。どうやらドレインさんを助けた後、ホルメンから現実世界へ帰ってきたらしい。

「ドレインもプレイヤーだったりするのだろうか。旅人の時もいいけど、ドレインさんと過ごす時間もまた幸せな夢を見たって感じになるんだよな。」

ほふほふな枕に抱きついて幸せを噛み締めていると

「わん!」

枕かと思ったらポメラニアンのクランだ。 寝惚けた僕を起こしに来てくれたみたいだ。ホルメンにはクランという小動物が暮らす小さな森があるんだ。めちゃそこの犬が可愛い意味でクランみたいなんだ。

「おはよう、クラン!」

ふわふわな毛並みを撫でて、クランのご飯をやり。自分の身支度をして。

「じゃ、クラン!行ってきます!」

クランを実家に預けて、車を走らせた。こうして現実世界で僕はハレンプロダクション芸能事務所で芸能活動をしている人を支える仕事、つまりマネージャーをやってるんだが。

「んー!はぁ小休憩しよ。」

コーヒーが飲みたいと思い、コーヒーサーバーへ行こうとしたんだが。

「はー…困ったな。」

この会社の社長であるハレン社長がいつもはポジティブな人なのに珍しく今はどんよりと俯いていた。

「どうしたんですか、ハレン社長?」

僕はコーヒーを2つ用意して、ハレン社長の横に置き、社長の様子が気になり声をかけた。

「あぁ、来栖か。コーヒーありがとな!いやな、小鳥遊 夢唯のマネージャーだった男がストーカー罪で逮捕されたんだ。」

「え!?」

まさかのビックニュース過ぎて驚きを通り過ぎた、たまたまついてたテレビが知らせる。

『今日未明、警察に匿名のメールが送られたと調べたところ。小鳥遊 夢唯のマネージャーが逮捕されました。更に余罪があるか警察は調べています。』

「弱ったな。小鳥遊 夢唯のマネージャーを急遽探さないといけない。」

今小鳥遊 夢唯は特に忙しく、マネージャーをするのは大変だ。それに彼女のマネージャーになるとその人が急に辞めたり、何かしら発展するというトラブルが起きることもしばしばあるらしい。

「今回ばかりは私の監督不足だな。小鳥遊には怖い思いをさせてしまったな。彼女には悪いことをした。」

「悪いのはストーカーした人であって。これに関してはハレン社長も小鳥遊さんは何も悪くないです。」

「しかし今回も小鳥遊のマネージャー長く続かなかったな。」

小鳥遊のマネージャーが長く続かない理由は、いろいろ複雑そうだ。コーヒーの味がいつもより苦く感じた。

「そうだ。来栖…今、そこそこ手空いているだろ。」

「えぇ、まぁ。」

最近僕が担当していた芸能活動の人が辞めたり、異動になったりとしたタイミングが続いたのだ。

「ハレン社長、まさか!?」

「頼んだぞ!来栖 咲夜!!」

「えー!いいですけど、もっと早く言ってくださいよ!」

わお、まさかの展開だ。とのことで僕は急いで前マネージャーの仕事の引き継ぎを確認する。

「は?なんだよ、この鬼スケジュール!?」

朝から晩までスケジュールが入っている。今日は歌番組の出演とファッション雑誌の撮影。

「次の仕事の打ち合わせ!?まだ増えんの!?」

夕方のラジオで終わりだが。明日は朝からニュース番組の出演と僕が目眩しそうになるが、のんびりしていられず急いで仕事相手への連絡や挨拶回り、スケジュールを見直した。

「これは…すげー。確かにマネージャー側もきついかもな。」

だけどマネージャー側がくよくよしてたらダメだ、ビシッと行かなくてはと僕は愛車のアクセルペダルを踏んだ。


私は家を出てから10分程電車に揺れて、2駅先の駅のホームに着いた。住んでいる街より少し賑わっている都会よりの街で、仕事まで時間があるからネイルサロンとジムに行くのだ。

「いらっしゃいませ!」

駅から5分歩いて少し路地裏を入った所にアパートがあり、角部屋のドアに205号室と書かれている部屋のインターホンを押す。

ーーーピンポン!

「はーい!」と女性の声が聞こえ、ガチャと玄関が開いた。

「こんにちは、彩芽(あやめ)さん!」

「あら、小鳥遊さんじゃないですか!ご予約ありがとうございます!どうぞ、こちらの席へ!」

玄関で靴と帽子を脱ぎ、廊下を通ってリビングに向かうと。

「おや、いらっしゃい!」

「こんにちは、彰史さん!」

ここのネイルサロンは彩芽さんと彰史さんご夫婦で営んでいて、いろんなネイルサロンを探したけど、ここはアットホームな感じで落ち着く。

「さ、どうぞ!」

「ありがとうございます!」

彩芽さんが指定した席の椅子に座る。

「今日はどんなデザインになさいますか?」

彩芽さんも座ったのを見て、伝える。

「もうすぐサンダルの時期なので、フットもお願いしたいです。」

「最近温かくなって来ましたもんね!」

スマホを操作して気に入ったデザインの画像を彩芽さんに見せる。

「そうですね、日焼け止めの出番が早いです!あとデザインはこんな感じがいいです!」

今回のデザインはカラーが薄ピンクと薄紫のアシンメトリーで、5月なのもあって雫みたいなデザインに決めた。

「かしこまりました!では施術して行きますね!」

彩芽さんの綺麗な手が私の手を優しく取り、手の爪を整えて、ネイルの液を爪に塗っていく。足も同じようにして行くこと、1時間半には綺麗に色付いたデザイン通りの爪に変身した。

「わぁ!とても綺麗です!ありがとうございます!!」

この瞬間って何事にも変えられない嬉しさがあるのよね!

「ふふ、嬉しいわ!」

彩芽さんにお金を払い、靴を履いて帽子を被る。

「本日はありがとうございました!」

「いえ、私の方こそ素敵なネイルをありがとうございます!」

「それでは次回の予約時間のお越しをお待ちしています!」

彩芽さんの優しい笑顔に見送られて、私は会員制のジムに向かった。ムキムキを目指しはしないけどやっぱりダンスやステージに上がる者として身体のコンディションやある程度の筋肉量は大事だ。

始める前の柔軟や準備運動を念入りに行う。怪我するなんて以ての外。

「お!小鳥(ことり)来たわね!」

私のことを小鳥遊ではなく小鳥と呼ぶのは、このジムのオーナー(はん)さんだけ。

「こんにちは!藩さん、今日もよろしくお願いします!」

藩さんはボディービルダーをやっている女性で筋肉付いているのに綺麗なボディーラインは保たれている。あそこまで筋肉が付かなくてもいいけど、同性としては実に理想だ。

「ああ、よろしく!今日はランニングマシーンとスクワットとプッシュアップとデットハグだったかしら?」

「はい、それでお願いします!」

「了解!まずはスクワットからね、こっちよ!」

藩さんに案内されて、筋トレが始まる。スクワット3セットで15回をやる。汗をかく行為はとても好きだ、外のランニングとかいいなと思うけど、顔出さずにやるランニングは少し現実的じゃないから、ジムが一番最適だ。

「はい!今日はここまでね!」

「はぁ。ありがとうございます!藩さん!」

「いいえ!私も小鳥の頑張りを見ると自然と気合いが入るのよ!いい感じに仕上がっているから、これからも継続して頑張りましょう!」

「はい!!」

筋トレやダンス、歌は努力すればする分だけ反映される。

『ColoRuNeAの小鳥遊 夢唯、ダンス上手いよな!』

『夢ちゃんダンスだけじゃなくて、歌もやばい!』

ライブ後ではSNS内がほぼ呟かれる。ふふ、私色に染まるのは当たり前のこと…廊下を通ったり、楽屋に戻る度にただ悔しがって、私の嫉妬している目をしている人たちとは違うのよ。

「小鳥、何かいるものあるかしら?」

更衣室で着替え終わり、藩さんが既にレジいたから私もレジに向かう。

「そういえば。藩さん、プロテインの替えが欲しいです!」

「お、了解!すぐ倉庫から持ってくるわね!」

パタパタと急いで奥へ行く音が聞こえる。急かさせて申し訳ないなーと思いつつ。

「お願いしまーす!」

5分後、藩さんがお店の奥から戻ってきた。

「おまたせ!プレーンと味バナナ味のプロテインで良かったかしら?」

「はい!ありがとうございます!」

プロテイン2袋分と施設代を藩さんに払って、商品が入った袋をを受け取った。

「またね、小鳥!良い一日を!」

「ありがとうございました!」

ジムを後にして、これから仕事なので新マネージャーと待ち合わせしている駅前に向かった。

「今回の新しいマネージャーさんとはどうなる事やら」

駅前に着いたので、でかでかと電光掲示板にある私の化粧品の広告前にマネージャーが来るまで、今日の歌番組のセトリの曲を薄紫色のハート型イヤホンにスマホの再生ボタンを押した。

……To be continued