さくらびと。 恋 番外編(3)

蕾は頷きつつも不安を感じていた。




昨夜のキス以来初めての二人きりの時間。





その沈黙が耐えられなくなったころ、有澤先生が口を開いた。



「あの……昨日のことなんだけど」





有澤先生が先に口を開いた。





蕾の心臓が一拍跳ねる。






「昨日?あ、あー、301号室の患者さんの血圧低下した時ですか?板垣先生が……」





「いや、ちょっと待って。その前、」






有澤先生が遮る。







「休憩室でのこと」






言葉が喉に詰まる。





記憶が鮮明によみがえり、蕾は頬が熱くなるのを感じた。






「あれは…その……」








「突然で驚かせてごめん。でも僕は真剣だった」






その問いにどう答えるべきか迷う。



拒否感は全くなかった。




むしろ心地よかったとさえ言えるかもしれない。




でもそれをそのまま伝える勇気は蕾にはまだなかった。






「あの、えっと……大丈夫です…!」



蕾はよそよそしくなった。







ようやくそれだけ絞り出すと、彼は安堵の笑みを浮かべた
有澤先生は蕾の手をそっと握る。