「桜井さん、本当に申し訳なかった」
数日後の朝、病院の廊下で板垣先生が蕾の前に立ちはだかった。
その表情には先日までの傲慢さは消え、深い反省の色が浮かんでいる。
「私の未熟さが君を追い込んでしまった。
過去のことを持ち出して責めたのは完全に私の間違いだ」
率直な謝罪に蕾は戸惑いを隠せない。
長年蓄積された不信感は簡単には溶けないものの、板垣先生の誠実な態度には心を打たれた。
「私も……大人げない態度でした。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。」
二人の和解に周囲のスタッフたちも安堵の表情を浮かべる。長引いていた緊張感がようやく緩和されたのだ。



