さくらびと。 恋 番外編(3)

 
 





あれから、蕾と有澤先生の関係は、どこかぎこちないものになっていた。









あの言葉の真意が、蕾にはまだ掴みきれていない。










期待していいのか、それとも、ただの私の思い過ごしなのか。








 
 「有澤先生、おはようございます」








 
 ナースステーションで有澤先生に声をかけるが、先生はいつもより少しそっけない。
 









 「あぁ……、桜井さん。今日の回診、よろしく」







 
 その声は、いつもと変わらないはずなのに、蕾には氷のように冷たく聞こえた。








有澤先生も、蕾の心情を推し量っているのか、それとも、あの言葉の後に、










自分自身も戸惑っているのか、蕾には分からなかった。










ただ、以前のように、桜の木の下で穏やかに話すことはなくなり、











二人の間には、透明な壁ができてしまったような気がした。