さくらびと。 恋 番外編(3)








その後、ナースステーションに戻って残業に取りかかっていた蕾に、有澤先生が声をかけた。






 
 「あれ、珍しいね、桜井さん。残業?」






 
 「あ、有澤先生。はい、少しだけ。」








 
 蕾は、有澤先生の突然の声かけに、心臓が跳ね上がった。




有澤先生はゆっくり歩いて、蕾の隣に並んだ。










 
 「もしかして……僕のこと待っててくれた?」









 
 有澤先生は、そう囁くと蕾の顔を覗き込んだ。









その瞳には、普段は見せない、切ないような、そしてかすかな期待のようなものが宿っていた。









蕾は、彼の言葉に、胸が高鳴るのを感じた。






これは、チャンスなのかもしれない。