春の出会いから数ヶ月が経ち、冬になった。 桜井蕾の心は、有澤先生への想いで満たされていた。 しかし、彼の左手の薬指に光る指輪が、蕾の胸に小さな棘のようにいつも刺さっていた。 妻を亡くした悲しみから、まだ立ち直れていない彼を、自分が愛することは許されるのだろうか。 そんな蕾の戸惑いをよそに、病棟には新しい風が吹き込んできた。