さくらびと。 恋 番外編(3)








そんなある日、蕾はひどい風邪をひいてしまった。







喉が炎症を起こし、声がガラガラと掠れてしまい、まともに声が出せない状態になってしまったのだ。












急な体調の変化に、蕾は内心焦りを感じていた。











特に、有澤先生にこの弱った姿を見られたくない、という思いが強く、できるだけ彼との接触を避けるように努めていた。












ナースステーションで彼を見かけると、そっと身を隠したり、彼が近くにいるときは、できるだけ短い言葉で済ませようとした。












しかし、病院という限られた空間では、完全に避けることは不可能だった。










風邪のせいで、普段はハキハキとしている彼女の声も、か細く、掠れがちになっていた。










その不調は、周囲の看護師たちの目にも留まっていたが、蕾は弱音を吐くまいと必死で平静を装っていた。