慶悟は帰る支度をする為に白衣を脱いだ。
「明日、1日頼んである、部屋を片付けないと歩けねぇ(笑)」
「俺も手伝おうか?明日休みだし、あっ、送っていくつもりで待ってた」
「助かる〜」
慶悟のマンションに着くと翔馬が明日は昼ごはんを買ってから来てくれるらしい。
「じゃあ3人分頼む」
「OK、じゃあな」
次の日の朝、美麗は慶悟のマンションの玄関前に立っていた。
到着してインターフォンを押したのだが、反応がないのだ。
「あれ?9時だったよね…」
カバンからお客様情報を取りだし、もう一度インターフォンを押した。
「電話…いいかな、緊張する」
美麗が電話をかけると6コール目で低い声が聞こえた。
「もしもし…」
「おはようございます、ビスケットの中野です」
「あ、もう9時?」
「はい、ご在宅ですか?」
「うん、ごめん、開ける、少し待ってて」
「はい、あの、ゆっくりでいいので…」
「ありがとう」
電話を切ると美麗は少し頬が赤くなった。
寝起きの声を聞いてしまった。
しばらく待っているとガチャっと玄関が開いた。
「あっ、おはようございます」
「ごめん、寝てた」
「大丈夫ですよ、ご在宅なら…お邪魔します」
松葉杖を使ってなく、とても歩きづらそうに廊下を歩いている慶悟を見て、美麗は後ろから腰を支え、左側の脇の下に入り込む。
「大丈夫ですか?こっちに力をかけてもらってもいいので…」
「ありがとう、じゃあ肩を借りるね」
美麗の左肩を包む様に手を回してみた。
少し力が入るとすぐに力を弱め肩の手を離した。
「…ちょっと待って…」



