「食べてみたいって言われたら作ってあげたくなるじゃないですかー」
「本当に中野さんのカレーが食べてみたいと思ったよ」
「絶対モテますよね」
慶悟は食べ終わるとスプーンを置いた。
「大学時代はまあ色んな方とお付き合いはしてきたけど俺の事を本当に好きでいてくれたのかどうかは分からない、医学部ってだけで寄ってくる人もいたしね」
「そんな…」
「条件さえあえばとかさ、でも勉強するのに必死で恋愛から遠ざかってるよ、今はフットサルやレミィの歌声で癒されてるんだ」
「お医者様って大変ですね、すみません…でも料理を食べたいって言われると女の人はその気になっちゃうんで」
「本音だよ(笑)」
「ありがとうございます(笑)」
美麗は2人分の食器をキッチンに運びキッチンを片付けた。
「あの、ご飯は冷凍庫に、カレーは鍋ごと冷蔵庫にいれてますので温めて食べてください」
「ありがとう」
美麗はエプロンを外し、帰る支度をした。
「あっ、座っていてください」
「ついでに鍵を閉めるから玄関まで行くよ」
「では、ゆっくりで…」
松葉杖をつきながらゆっくり玄関まで行く慶悟。
「またこの廊下全部片付けましょうね(笑)」
「うん、めっちゃ不便(笑)」
2人は笑いあった。
「ねぇ、料理する時って歌ってた?」
「……知ってる曲だったので自然に歌っていたかもです、寝ていたのにすみません」
聴こえてたんだ、ヤバっ、気をつけなきゃ…
「それでは畑野様失礼します、明後日の9時に」
美麗は頭を下げて玄関から出た。



