え?と驚いてる朔真さん。ややあって、かちりと目が合った。

「啓輔、でもお前だって――」

「朔真さん分かってるんですよね。相川が危ないなら、未和さんだって……。 男は誰だって惚れた女を守りてえ、って思うもんですよ」

 ふっと安心したような抜けたような笑みを零した朔真さんは「ありがとう」と小さく頭を下げた。

 それにしても、と欠伸をしてぐっと上に伸びた朔真さん。

「少し前のけいちゃんとは大違いだねえ。懐かしいね〜。けいちゃんが一番荒れてた中2の時、年上の不良相手数人に一人相手してたこと」

「ああ、あれは……」

「危なっかしいから、いざというとき助けてあげようと思ってたら、何でか分かんないけど、俺、殴られそうになったし? ってことで今日けいちゃんお泊まりけってーい!」

「はぁ?!」

 確かに、あの時朔真さんに殴りかかったけど! 若気の至りっていうか!

「舞希の手料理が食えて風呂上がりも寝起きも見れる。一石三鳥なんて滅多にないぞ?」

「いやっ、で――」

「泊まるよね? けいちゃん?」

「げ……」

 笑顔の圧力によって俺は降伏した。

「泊まるのはいいけど、盛って舞希襲いでもしたら……分かってるよね」

 そんな朔真さんの一言を耳にしながら。