オレンジ色の奇跡



「まったく」

「まぁ、とりあえず、僕は岩佐先輩のお古なんていらないってことですよ」

「て、てめぇっ?!!」

「僕だって、選ぶ権利はあるでしょう?」

「無性に殴りたくなってきた」

「じゃあ、その前に帰りますね。では」

 ふわっと、お前は女か?って言いたくなるような笑顔を向け、フードを被って俺の前から去っていく。

 何なんだよ、アイツ。

 俺のことからかってるようにしか思えねぇんだけど。

 とりあえず、ゆっくりと立ち上がり、壁から顔を出し周りを伺う。

「よし……」

 誰もいないことを確認した後、足早にその場を去る。

 ったく。
 なんで、俺が殴られなくちゃなんねぇんだよ。

 だいたい、逆恨みもほどほどにしろよ。

 はぁ、もう、俺と舞希が付き合ってるって知ってるんだろうな。