オレンジ色の奇跡



 ズズズッと壁に寄りかかって地べたに座り込んで、ポケットからタバコを取り出す。

 畜生、空だった箱を握り潰し、放り投げる。

「はあ、はあ、はあ、はあー」

「体力ねぇな、おい」

「いきなり走れって言われてもっ…。っていうか、何で大学大丈夫なんですか?」

「あん?あぁ、知り合いの親父がやってる大学なんだよ。その親父が俺と仲良くてさ」

「うわ。職権濫用」

「黙れ。………それより、舞希、なんか言ってたか?」

「泣いてましたよ。謝るとかなんとかって言ってましたけど」

 …………泣いてた、か。

 俺が泣かせたんだよな……。

 舞希は俺と一緒にいて幸せになれるのか?

 俺の所為で辛い思いをして、階段から落ちて……。

 もしかしたらこの先――いや、もうすぐそこに、舞希の危険が迫っているんだ。