オレンジ色の奇跡



「おい。井上、喧嘩したことあるか?」

「あるわけないですよ」

「何か運動は?」

「中学の時、陸上部でしたけど」

「ふーん。………とりあえず、逃げるぞ」

「は?ちょっ!!!」

 俺は、井上の返事を待たずに走りだした。

 それを見た奴らも、俺と井上を追って走りだす。

「岩佐先輩っ!!何で、僕まで逃げなきゃならないんですかっ?!」

「知らねぇよ!とりあえず、逃げとけ」

「でも、何でっ…。はあ、はあ。
岩佐先輩が狙われ……はあ」

「俺が、普通に大学進学して卒業するのがっ、気に食わないんだろっ」

「そんな傷だらけで大学はっ…大丈夫、なんですかっ」

「平気なんだよっ。こっちだ」

 息が上がる井上を連れて建物の陰に隠れる。

 ベタな隠れ方だけど、一番これがバレないんだよなぁ。