オレンジ色の奇跡



 ………なのに。

 あたしの意識が回復して、今日で5日目。

 その間で、岩佐先輩に会ったのは、あの1回で。

 あたしの考えが甘かったかのか、毎日毎日電話しても岩佐先輩の声は聞けなかった。

 日が経てば経つほど、さらに不安は募る一方で。

「……やっぱり、避けられてる」

 どうしようも出来ない脱力感と、自分に対しての怒りに頭が痛くなってきた。

「……はぁー」

 ため息をつけばつくほど、どんどん気が滅入っていく。

「ご機嫌斜めですか?お嬢様」

「え?」

 不意に聞こえてきた声に、自然と下がっていた頭を上げれば、可愛い花束を持った井上くんの姿。

「何でいるの?」

「何でって……。お見舞いだけど、ダメだったかな?」

「あ、ううん。全然」

「そう?良かった。はい、これ」

「ありがとう。そこ座って?」

 ベッドの下から丸イスを取出し座るよう促した後、ベッドから下りて花を花瓶に移す。