オレンジ色の奇跡



 再びドアが開き、晴兄が現れた。

「晴兄?忘れ物?」

「……啓輔と何かあったか知らねぇけど、大丈夫か?」

「あ、うん……。たぶん、だけど」

「何があったか俺に言えるか?」

「うん。……あたし、階段から落ちたこと思い出したでしょ?」

「おう」

 岩佐先輩を見てフラッシュバックしたこと、まだ、謝っていないことを話せば、「じゃあ今から電話すれば?」と、あたしの携帯を布団の上に投げる。

「だって……!」

「アイツがどんなにお前のこと好きか知ってるか?知らないから、電話かけて謝れないんだろ?」

「あたし、スゴくヒドイこと言っちゃったんだよ?」

「舞希が意識不明の状態でやっと目を覚ましたって知ってんだろ。
それに、アイツは5年前のことを知ってんだし、話せば分かってくれるんじゃねぇの?」

 岩佐先輩が何で5年前のことを知ってるかは、後で聞くことにして、携帯を握り締めた。

 ……謝ろう。

 許してもらえるまで、何度でも頭を下げよう。