もう! どうしてこの学校はこんなに広いの?! 探しようにも見当すらつかない……っ。 優衣……どこにいるのっ。

 しばらく校舎内を走り回ってた時。

「……っ」

 ほんの小さな音が聞こえた。

 音がしたほうに行って見ると、ちょうど4、5人の男が一つの教室に入って行くところだった。

 ……違うかもしれない。でもっ!

 走りだしたあたしは、教室のドアが閉まるギリギリに間に合い、ドアの動きを止めた。少し空いたドアの隙間からボロボロに泣く――

「優衣に……優衣になにしてんのよっ!!!!」

 ――優衣がいた

 力強くで開けたドアに片手を置いて、男たちを睨み付ける。

「あん? てめぇもヤりにきたのかよ?」

「女ひとりで来たんだからその気だろ? 馬鹿じゃねぇーの?この女」

「それとも助けに来たとか?」

「それこそ相当な馬鹿だろっ!」

「死んでも治んねぇーぞ」

 次々に男達が口を開き、下品に笑い声を立てる。 そのたびに優衣は、カタカタと肩を震わせ涙を零している。