オレンジ色の奇跡



 病室に戻った後は、ドアに背を向け正座。

 窓の外――青く澄み渡る空を眺めている間も、あたしの手にはカズくんからの手紙。

 気を緩めたら泣きだしてしまいそうになるのを堪えていると、ドアを叩く音が響いた。

 一度深呼吸した後「はい」と、短くはっきりとした返事すると、ゆっくりドアが滑るのが分かる。

「舞希……」

 呟くようにあたしの名を呼ぶ朔兄の声を聞いた途端、申し訳なさと後悔で涙が零れそうになる。

 ドアの側に立っているお兄ちゃん達と向き合うようにして座り直す。

「…座って?そこに椅子あるから」

「あ、うん……」

 二人が椅子に座ったのを確認し、静かに口を開いた。

「……久しぶり、だね」

「体はもう大丈夫?」

「うん。すごく元気だよ」

 当たり障りのない会話。

 でも、兄妹の会話としたらぎこちない。