「ねぇ、舞希?何で、岩佐先輩を見てフラッシュバックしたの?昔のことって?」

「岩佐先輩を見て何でフラッシュバックしたかは分かんない。
でも。あたし、ね。思い出したんだ。あたし、コレを合わせて2回階段から落ちてる」

「舞希、まさかっ…」

「昔のこと、思い出しちゃった」

「それって……」

「記憶が戻ったってこと?」

「……うん。何であたしがアメリカに行かなくちゃいけなくなった本当の理由も、お兄ちゃん達が喧嘩をやめなくちゃいけなくなった理由も……」

 お兄ちゃん達だけじゃない。

 その友達の人達までも、やりたいことをやめさせることになってしまった。

「……あたしの所為で、お兄ちゃん達を我慢させてた」

 岩佐先輩に朔兄、晴兄……。

 謝らなきゃだね。

「…………っ」

「舞希……」

「ごめ……っ」

「舞希ちゃん。いつでも泣いて良いんだよ?我慢しないで?私達じゃ、舞希ちゃんの支えにならないかな?」

「…ゆ、いっ」