すべて話し終えた朔兄は、なんだか切なそう。

 ………切ない?

 そうだよね。
 朔兄の所為でカズくんは死んだんだから。

「…3年前に起きたことは分かったよ。
でも、なんで?
なんであたしに連絡がなかったの?」

 声を荒げたいのを抑え、震える唇をゆっくりと動かした。

 もう、何が何だか分かんないだもん。

 でも、誰も何も答えようとしない。

「…ふざけないでよ」

「……舞希?」

「何よ!家族じゃなかったの?!
あたしと朔兄と晴兄とカズくんは、家族同然じゃなかったの?!!
なのに、何で家族の死を知らせてくれなかったの?!!」

「……それは」

「確かに、あたし達とは血が繋がってない。
それでも、あたしはもうひとりのお兄ちゃんとして大好きだったのよ!!?
お兄ちゃん達だって知ってたじゃない!!あたしが、アメリカに行った後も、手紙でやり取りしてたことだって……」

 イヤだよ……。
 もう、カズくんに会えないなんて。

 以前のあたしならあり得ないくらい、ボロボロと涙を零しながら声を荒げる。