5年前。

 舞希が、俺達の所為でアメリカに移住した日から。

 俺達は、喧嘩をやめた。

 俺と晴樹だけじゃない。

 俺らの連れも、みんな。
 舞希のことを知っている奴らが。

 全ては、俺達の所為だから。

 だからなのかもしれない。

 前にも増して、喧嘩を売られるようになった。

 俺と晴樹を筆頭とした派属の他に、3・4個あったんだ。

 その派属らが、道で会えば肩をぶつけられたり、俺が少数の人数で町を歩っていれば金属バットで襲われそうになるし。

 もう、そこらじゅうに喧嘩が転がってる状態。

 俺達は、必死になってそれから逃げた。

 しばらくして、相手も喧嘩を買わないと分かったからなのか、売らなくなったんだ。

 それが、1年後。
 うん。今から4年前のこと。

 でも、諦めなかった派属があって。

 完璧に、根こそぎ、俺と晴樹を打っ叩きたかったらしくてね。

 1年を費やして、俺と晴樹の行動を把握したんだって。

 そして、舞希がアメリカに行って2年後。

 そう、今から3年前。

 ―――事件が起こったんだ