オレンジ色の奇跡



「で?舞希ちゃんどうした?」

「目、赤いな」

「サクたんかハルたんとでもケンカしたのぉ?」

 力なく首を横に振るあたしに、ユウにぃが飴をくれた。

「ほれ。舞希が好きだった飴」

「ありがとう……」

「男とでもケンカしたか?」

「ぅえっ?!おおお男?!」

 目が飛び出るんじゃないかってほど、目を剥くモヤシにタケちゃんが蹴りを入れる。

 顔を寄せて痛がるモヤシに「うっせんだよ。黙れ」と凄みを利かせるユウにぃ。

「う、ん……。何で分かったの?」

「そっか、そっか。舞希も恋する乙女か。
ん?あー、ココ、跡あるから」

 タケちゃんが自分の首元を触る。

 ………え?
 も、もしかして、キスマーク?!

 っ!?だから、井上くん……。

 恥ずかしくなって俯けば、ユウにぃが「気にすんな」と頭をポンポンと撫でた。

「で?何で、ケンカした?」

「分かんない……。ケンカっていうより、一方的に出てきちゃったの」

「へぇー。舞希ちゃんの男ってどういうヤツ?」

「……えっと、凄く優しい人で凄く温かい人、かな?」

「頭の色は?」

「タケちゃん?」

「な に い ろ?」

「き、金髪……」

 岩佐先輩の風貌を聞いて何になるのかな?

 あ……、もしかして知り合いとか?

 朔兄も晴兄も岩佐先輩のこと知ってたんだから、知っててもおかしくないか。