オレンジ色の奇跡



◆……

 キィー、キィー、と錆びて悲鳴を上げるブランコ。

 誰もいない公園に響くブランコの音は、なんだか今のあたしの心の中みたい。

 未だに涙は枯れないらしく、思い出すたびにぽろりと頬に伝う。

 いきおいで、岩佐先輩のお家から飛び出して来たものの、携帯、お財布等何も持ってきていない。

 しかも、ボロボロと泣きながら走りこの公園に来た所為で目の周りが痛い。

「…寒いなぁ」

 上くらい何か着てくれば良かった。

 岩佐先輩、怒ってるだろうな。だって、勝手に出てきちゃったんだもんね。

 ズズズ、と鼻水を吸いながら地面を蹴りブランコをさらに動かす。

 ……あれ?
 この公園って岩佐先輩が助けてくれた――初めて会った所だ。

 岩佐先輩のお家の近くだったんだなぁ、ココ。

 揺れていたブランコを止め、足元を見つめる。

 『舞希には関係ねぇ』

 岩佐先輩に言われた言葉が頭に響く。

 絶対、あたしについて怒ってるのに……。なんで、関係ないとか言うのかな?

 分かんない!分かんないよ……。