オレンジ色の奇跡



 両手にコンビニ袋を下げた岩佐先輩の背中を追い掛けるように脚を動かす。

 追い付きそうになったら、歩幅を小さくして、離れたら、歩幅を大きくして………。

 隣に並んで歩きたい。

 でも、きっと。
 まだ、怒ってるだろうから。

 一言も話さず、自分の靴を睨み付けながら黙々と岩佐先輩のマンションへと向かった。


◆……

 家に着いてからも一言も話さず、ソファーにも座らず、床に座る舞希。

 別に、舞希に対して怒ってるわけじゃない。

 冷たい態度を取ったのは謝んなくちゃいけねぇんだけど……。
 今、舞希と話したら八つ当りしそうで。

「……はぁー」

 俺がため息をつけば、無理して微笑む。

 そんな笑顔見てられなくて、目を逸らす。

 その繰り返し。

 腹が立っている、っていうか、ちっちぇなって思う。

 自分自身が。

 まぁ、あの井上とかいうヤツもムカつくけど。