オレンジ色の奇跡



「井上くんこそ、お家ここら辺なの?」

「うん。結構近いんだ。学校へ行く道の反対方向に5分くらいかな」

「そうなんだぁ」

「うん。………あっ」

「どうかした?」

「相川さん、その『お友達』が目をギラギラさせながらこっち見てるよ?」

「え?」

 少しだけ体を動かし、あたしの後ろを見ると、もう、ホントに。

 刺さるんじゃないかってほどの岩佐先輩の鋭い視線。

 ずっと目を合わせられるはずもなく、動かした体を元に戻し井上くんと向き直る。

「や、ヤバい。かなり怒ってる!どうしよう……。絶対『おせぇんだよ』とか言われるぅ!」

「そこじゃないと思うよ?早く行かないと『お友達』に、僕、殴られちゃうよ」

 井上くん!
 あなたは絶対、絶対!
 曲がった性格の持ち主だ!

 岩佐先輩に聞こえるように『お友達』を強調して言うなんて!

 しかも、あたしと岩佐先輩が付き合ってるのを知ってて言ったの!?

 素直に言ってれば良かった!