オレンジ色の奇跡



「………っ!」

 ピクッと不自然に身体が跳ねる。

 覚悟はしてきたつもり。
 でも、ホントに『つもり』だけだったのかも。

 岩佐先輩だって分かってても怖いものは怖い。

 不安かって聞かれたら不安だって答えると思う。

 うーん。でも、『怖い』より『不安』の方が大きいのかも。

「怖いか?」

 少し身体を持ち上げ、余裕の無さそうな岩佐先輩の表情があたしを見つめる。

 あ……、余裕が無いのはあたしと同じなのかな?

「少し怖いです。でも…」

「でも?」

「先輩なら……、ううん。先輩だから大丈夫」

 ぎゅうっと強く、でも優しくあたしを抱きしめる岩佐先輩の背中に手を回す。