「なんだよ」
「そ、の。あたし、先輩のこと何も知らないなって……」
「そんなことかよ」
「あたし、先輩の彼女ですよね?」
「あぁ」
「何でもかんでも言ってくれなんて言いません。でも……。最低限のことは知っておきたいんです。
………わがまま、ですよね。すみません」
マグカップを置き、膝の上で握り締めた両手を見つめた。
ずいぶんとわがままになったものだ。
昔のあたしだったらこのくらいポーカーフェイスでなんとか誤魔化していただろう。
なのに………、それが利かない。
「きゃっ……」
あたしの上には岩佐先輩。
ソファーに押し倒され抱きしめられている。

