オレンジ色の奇跡



「舞希」

「ひゃあいっ!」

 上半身裸のまま近づかないで下さいっ!!
 目のやり場に困りますっ!

「舞希?」

「ななななんですかっ?!」

 名前を呼ぶなーっ!
 トクントクントクントクントクンって心臓がうるさいんですっ!

「何か変なもんでも見つけたか?」

「へ、変なものですか?」

「あぁ。変なもん」

 逆にそれも気になりますけど!

 岩佐先輩!とりあえず……。

「先輩!と、とりあえず、上、着てもらえませんか?」

「なんだよ、興奮してんのか」

「こ、興奮だなんて!してません!」

「ウソ、だろ?」

 クイっとあたしの顎を上げ、見つめてくる岩佐先輩から視線を反らす。

「ウ、ソじゃ、ない」

「俺見て、言え」

 躊躇しながら岩佐先輩を見ると視線が絡み合った。

 う……。ムリです!ムリ!

 岩佐先輩、いつもより色っぽいんですけどっ!