「何見てるんですか?」 俺の視線に気づいたのか、こちらをじっと見つめている。 「ん?別に?」 聞こえるか聞こえないかの声で呟きながら立ち上がりキッチンにいる舞希に近づく。 空になったマグカップを持って。 「コーヒーですか?」 「あぁ」 インスタントコーヒーが入ったビンを「はい」と渡された。 黒い蓋を開け、マグカップに入れていると、 「あ、の。岩佐先輩?」 「ん?」 遠慮がちに俺の顔を見つめる舞希の姿が目に入った。