◆……

『わざわざ来てくれたのー?!』

 キャァァァっとピョンピョン飛び跳ねながらリサが喜んでいると、

『恥ずかしいからやめろ、バカ姉貴』

 ジョンが冷たい視線をリサに送る。

 少し……ほんの少しだけジョンとキョリがある。
 そのキョリを作っているのはあたしだってことは分かってる。

 分かってるけど……。

 ジョンのことをきちんと見れない。

 無意識に岩佐先輩の服の裾を握る。

 そんなあたしの様子に気づいたのか岩佐先輩はあたしの腰に腕を回し、自然と身体が密着する。

 顔を上げれば口角を上げ、悪戯な笑みを浮かべている岩佐先輩がいた。

 一つ深呼吸をして、パッと前を見つめ、そのまま顔だけを動かしジョンを視界に入れる。