『…………ジョン。


あたしはあなたとは付き合えない』

 しっかりと、ジョンの瞳を見て今にも泣きだしそうな感情を必死で抑えいつもの声でそう告げる。

『良かった………』

 ジョンは、最高の笑顔を向けてくれる。

 それに釣られてあたしも笑えば、ふたりしかいない教室に笑い声が響いた。

『………………今度は、舞希の番だよ?』

 意味の分からないことを呟いたジョンは、いきなりあたしを抱き上げ教室の床に押し倒した。

 なぜか、あたしの上にはジョンがいて馬乗り状態になっている。

「えっ?!!!」

『………………ちょっと我慢して』

 そういいながらジョンは、あたしの首に顔を埋めた。

 その瞬間、なんとも言えない感覚が襲い急にジョンが怖くなった。

「いやっ!!!!」

 あたしの上に乗っているジョンの胸板を叩くがびくともしない。

 やだ……っ!!
 怖い!怖いよ!!

 ジョンの下でもがいていると、教室のドアが開く音がした。

「てめぇっ!!舞希に何してんだっ!!」

 先生と部活をやっている生徒以外いないはずの時刻。

 しかも、この階は部室もなく職員室からも遠い。


 なのに、聞こえてきた声はあたしの大好きな人の声で……。