「……もっ、もしもし?……あっ、おはようございます。………え? はい。私の友達ですけど、どうかしましたか? ……今からですか? ……今、一緒にいますけど……。その、神崎せんぱ――」
段々トーンダウンしていくのがはっきりと分かる。
「優衣どうしたの? 獲物に捕らえられる直前のうさぎみたいな顔してるけど」
あたしは、なるべく優衣に聞こえないように梨海に聞いた。
「なんかねー3年の先輩に気に入られちゃってるのよ。 で、その先輩が学校一のイケメンってほどかっこいい……んだけど。まあ、色々問題があってね。 簡単に言えば、先輩が優衣に半年片思いしてるだけってことよ」
ええっ?! そんな学校一のイケメンに半年片思いされてるの?!
「優衣のことだから遊ばれてるっていうか、からかわれてるんだと思ってるんじゃない?」
「まぁ、確かに女遊びが激しくって、とっかえひっかえだっていう噂があったくらいだからね〜」
とっかえひっかえ……でも、“あった”ってことは過去のことなのかな?それにしても、まあ、凄い人に好かれちゃったみたいだね。

