オレンジ色の奇跡




「嫌だ嫌だっ!!あんな静かなところっ!………優衣、クリスマスは?」

「私は、今年も去年と同じクリスマスパーティーでピアノを………あっ!」

 優衣は、明らかに『しまった』という顔をして固まった。


 優衣の家庭は、音楽一家のため優衣もピアノを小さい頃から習っている。

 両親は、海外を飛び回っているため家に居ることはほとんどないらしいが、クリスマスが近づくと帰国し年末年始も色々な場所で演奏をするんだとか。

 去年は、優衣もクリスマスパーティーに出席してピアノを演奏したと聞いている。

 そのため、何にたいしてそんなに困っているか分からない。

「……………優衣」

 梨海が目を細めながら優衣を見ていたと思ったら、ガタッと立ち上がった。

「………馬鹿じゃないのっ!!!」

「ヒイィッ!!!」

 梨海の一言により優衣は縮む。

 その光景を一通り見ていたが、さっぱり意味が分からない。

「…ねぇ、梨海?なんで、優衣が馬鹿なの?」

 なるべく梨海を逆なでしないように、静かに聞いた。