オレンジ色の奇跡



◆……

 ふと、少し窓の外へ目をやれば木々たちは裸になり、澄み渡る青空のなか、太陽の位置は低く、冬が感じられる。

 この学校のすべての教室は、冷暖房が徹底されていて快適に過ごすことができるが、廊下は息が白くなるほど寒く教室との温度差が激しい。

「うーん……。ご飯食べたら眠くなってきた」

 梨海が唸りながら口を手で隠しながら欠伸をした。

 お腹も満たされ丁度良い教室のぬくぬくとした温度がさらに眠さに拍車を掛ける。

「今年、雪降るかな……」

 眠たそうな声で優衣が呟けば梨海が顔を少し上げて窓の外を見た。

「……こんなに晴れてるのに降られたら困るわ。クリスマスくらいなら許すけど」

 今、晴れてる、晴れてないの問題じゃなくて………。

 ただ単純に優衣は、“今年”雪が降るかどうか気になってたのに。

 しかも、梨海“クリスマスくらいなら許す”って………。

「…まぁ、梨海はほとんど着物だからねぇ。…雪降られたら困るけど、ねぇ?」

「でもねっ!今年、努力のかいあってクリスマスは空いたのよっ!その代わり、年末年始が………」

「…梨海、御愁傷様」

 どんなふうに努力したかは聞かないほうが良いだろうと判断した。

 だって、梨海の努力は……。

 うん、想像しちゃいけないことなのよ…。