オレンジ色の奇跡



◆……

 千紗さんってこの前のすごく綺麗な人かな……?

 岩佐先輩の彼女?

「あ、優衣と舞希ちゃん今日空いてる?」

 あたしが、千紗さんらしき人を思い出していると、神崎先輩が教室から出る間際、振り返りながら言った。

 優衣がコクッと首を上下に振ったのを見て、神崎先輩はあたしを見る。

 あたしも、優衣につられて上下に首を振った。

「じゃあ、放課後啓輔と一緒に迎えに来るから。じゃあね」

 神崎先輩は笑顔で岩佐先輩のあとを追っていった。

「えっ?えっ?岩佐先輩も?!」

「良かったね、舞希ちゃん」

「でも……岩佐先輩。彼女いるんじゃないの?!さっきだって“千紗”って………」

 なんだか自分で言ってて悲しくなってきた……。

「……“千紗”って千紗姉のことかな……?」

 リサとジョンと話していたはずの梨海があたしの後ろに来ていた。

「梨海知ってるの?」

「うーん……あたしの知ってる千紗姉だったら岩佐先輩とは付き合ってないと思うけど……」

「……今日聞いてみれば?舞希ちゃん」

「……そ、うだね」

 聞けるかな……?

 というより、聞いても良いこと?

 ただの先輩と後輩という関係であって優衣と神崎先輩みたいに恋仲になることは難しいのではないか……。

 それでも聞いてみたいと思っている自分がいるのは認めざるおえない。

 少しでも先輩後輩の関係からちょっとでも進展すれば良いなって。