「アレ?マキ、ジャナイッ!」

 甲高い声と共にあたしは、声の主の腕の中にいた。

『リ、リサ……何してんの?!』

 急に英語を話しはじめたあたしを見て、後輩くんは目を丸くして見ている。

『なに、舞希の男なのか?』

 次に聞こえてきた声に顔を向ければ、腕を組んで後輩くんを見ているジョンの姿。

『違うわよ、ちょっとね』

 なぜ、ここにいるかはわからないが、リサとジョンはあたしがアメリカにいたときとても仲が良かった友達だ。

 二人は、姉弟でリサが19歳、ジョンが18歳だ。

「ドッカイケ」

 ジョンの低い声で後輩くんはビクッとなってペコッと頭を下げて消えて行く。

『久しぶりね、舞希。
さっきの子、ジョンに追い払われたけど……良かったの?』

『本当に助かったわ。ジョンありがと』

『気にするな』

『ねぇ、舞希?梨海と優衣に会いたいわっ!』

『そうだね、久しぶりだし……教室行こっか?』

 あたしたちは、教室にいる梨海と優衣の元へ向かった。