オレンジ色の奇跡



「啓輔。もう、送り迎えはいいよ。今日は、それを伝えようと思ってさ」

「……そうですか」

「心なしか、残念みたいな感じか?」

「まぁ、そんなトコロです」

 確かに、朝も帰りも話せなくなるのは寂しい気もするけど。

 どうせ、祥也が椎葉に会いにいくとかなんとかで、連れてかれるからな。

「なに、啓輔。アレがタイプか?」

「ドストライクですよ、晴樹さん」

「まじかよ………珍しい奴」

「啓輔、帰りたかったら帰っていいぞ。あっ……帰るんだったら、舞希の部屋覗いてってくれ」

「………………………」

 相川の部屋に行くのはいいんだ。

 だけど、既に一回………な?

「ははっ!今度は閉じ込めないよっ!」

「サク……。そんなことしたのか……」

「分かりました。それじゃ、お邪魔しました」

 俺は軽くお辞儀をして相川の部屋に向かった。