7年後ーーーー、
京都の桜並木の下で、二人が再会する可能性を匂わせながら。
蕾は、有澤先生の背中を見送りながら、涙をこらえ、心の中で誓った。
たとえ離れていても、毎年咲く桜を見るたびに、有澤先生のことを想い続けると。
そして、有澤先生もまた、京都の桜を見ながら、蕾の優しい笑顔を思い出しているのだろう。
桜の木の下で始まった二人の物語は、切ないけれど、温かい余韻を残して、静かに幕を閉じた。
それは、禁断の恋の終わりであり、そして、新たな未来への始まりでもあった。
ふたりの"さくらびと"を残して。
Fin.



